お正月になると「謹賀新年」「迎春」「賀正」など、年賀状で目にする“賀詞”。
何気なく使っているこの言葉たちは、実はとても長い歴史と意味を持っています。
今回は、そんな「賀詞」の歴史と成り立ちについて少しひもといてみましょう。
まず「賀詞(がし)」とは、新年を祝い、相手の健康や繁栄を願うあいさつの言葉です。
漢字を見ても分かる通り、「賀」は“祝う”、“詞”は“ことば”を意味しています。
年賀状文化のなかで自然と根付いてきたこの表現は、日本だけでなく古代中国にもそのルーツが見られます。
賀詞の起源は、古代中国の宮廷文化にまでさかのぼると言われています。
元旦には、皇帝や上官に新年のあいさつを述べる「朝賀(ちょうが)」という儀式がありました。
このとき使われたあいさつが「賀正」や「恭賀新年」などの格式ある表現であり、やがて民間にも広まっていったのです。
日本でも、古代より元日には年始のあいさつを交わす習慣がありました。
平安時代には、貴族が和歌や漢詩にのせて年始の気持ちを伝え合ったと記録に残っています。
江戸時代になると、武家や町人にもこの習慣が広がり、「年始回り」という直接のあいさつが一般化。
それがやがて「年賀状」という書面でのあいさつに変化していきます。
明治時代に郵便制度が整備されると、年賀状文化が一気に全国へ。
このとき、先述の中国由来の賀詞も、挨拶文の冒頭に使われる定番表現として定着しました。
現在、年賀状でよく使われる賀詞にはいくつか種類があります。
「賀正」「迎春」「寿」など:二字賀詞と呼ばれ、簡潔で力強い印象があります。
「謹賀新年」「恭賀新年」など:四字賀詞で、より丁寧で礼儀正しい言い回し。
「あけましておめでとうございます」:和文で親しみやすい表現。
なお、目上の人には二字賀詞は避け、四字賀詞や和文賀詞を使うのが一般的なマナーとされています。
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※2019年2月17日(日)登録