背景素材において、「きれいすぎない」ことが求められるケースは意外と多くあります。整然としたグラデーションやパターンでは表現しにくい、曖昧さ・手作業感・奥行きといった要素を求める場合、手描き風テクスチャは有効な選択肢となり得ます。今回紹介する素材は、さまざまな色のクレヨンを画用紙に自由に塗り重ねたような背景テクスチャです。
素材全体の印象は、ひとことで言えば「暗めだけど雑ではない」です。グレーに近い濁りを含んだ配色ながらも、複数の色彩が複雑に絡み合っており、無作為なようで一定の調和が保たれています。赤・青・緑・黄などの基本色が不規則に混在しているものの、全体として破綻はしておらず、一枚の画面としてのまとまりは確保されています。
このような質感の背景は、装飾性を強く打ち出すものではありません。しかし、「均一で退屈な背景を避けたい」「手作業感を少し含ませたい」といった意図がある場面には適しています。グラデーションや幾何学模様では再現しにくい“曖昧さ”が、この素材にはあります。
特にデザインにおいて、「主張しすぎず、しかし単純すぎない背景」が求められる場面、たとえばポスターの一部やWebバナーの下地、あるいはアート系の展示物・資料の背景などには適合しやすいでしょう。文字や図形の上に重ねて使うにはやや複雑な質感なので、背景をぼかすか透明度を調整するなどの工夫が必要になる場面もあります。
全体のトーンがややくすんでいるため、明るく華やかなイメージを強調したい用途には向きませんが、静かで落ち着いた印象や、少しアナログな質感を求めるときには良い効果が期待できます。
まとめると、このクレヨン塗り素材は「すっきり整える」のではなく「混ざり合った気配を表現する」ことに向いています。使い方によっては地味にも派手にも見える、調整の幅を持った背景素材です。
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※2019年2月17日(日)登録